研究課題
ホルモン分泌反応は、分泌顆粒の輸送、分泌顆粒の細胞膜へのつなぎとめ(ドッキング過程)、ホルモン分泌への準備段階(プライミング過程)、細胞膜との融合(開口放出過程)という4つの素過程からなる。近年、mRNAに転写されない多数のDNA配列がノンコーディングRNAとして転写され、蛋白質発現制御に関与している。ノンコーディングの中でもマイクロRNA(miRNA)は、標的mRNAに結合して遺伝子発現制御を行う。しかし、ホルモン分泌を制御する遺伝子及びそれら遺伝子の発現制御を行うmiRNAについては、不明であった。そこで、ホルモン分泌の4つの素過程を制御するmiRNA及び標的遺伝子の同定を試み、それらの生理機能の解析を行った。解析の結果、3種類のmiRNA(miR-9、miR-124、miR-375)がホルモン分泌反応に関与していることを見出した。3種類のmiRNAの中でも、特にその機能が未解明であるmiR-9の標的遺伝子をリストアップしたところ、ホルモン分泌との関与が示唆されているミオシン2(MyoII)を見出した。そこで、MyoIIの活性状態がホルモン放出動態へどのような影響を与えるかを生細胞イメージング法により解析した。解析の結果、MyoIIは、分泌顆粒の輸送、ドッキング及び、プライミング過程には関与せず、ホルモン分泌顆粒と細胞膜との間の融合孔のサイズを制御し、分泌するホルモン量を制御していることを見出した。
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