褐色脂肪細胞は熱産生器官である。寒冷暴露により視床下部が刺激を受けると、交感神経活動が亢進することで褐色脂肪細胞にノルアドレナリンを放出し、熱産生を行う。褐色脂肪細胞膜は2種類にアドレナリン受容体(α、β受容体)を発現する。私たちは、α受容体とβ受容体の相互作用について調べた。その結果、ノルアドレナリンα作用が強いときにはβ作用が抑制され、逆にα作用が弱いときは、β作用が増強される事が示唆された。この2種類の受容体の活性化が、細胞内Ca2+を介して相互作用し、細胞内Ca2+濃度の調節を行っている事がわかった。
|