非定型抗精神病薬オランザピン(OLA)は統合失調症治療において有用であるが、代謝性有害作用が頻発することが問題となっており、発現機序解明が急務である。本研究では代謝センサー分子AMPKに着目し、以下の成果を得た。(1)OLAは視床下部AMPKの活性化および摂食関連神経ペプチドを介して、食欲増進、体重増加作用を示す。(2)OLAは肝グリコーゲン分解促進および合成阻害により高血糖を惹起する。(3)OLAによる脂質増加作用にはAMPK-SREBP経路が関与している。これらの成果はOLA誘発代謝性有害作用回避対策を構築する上で、重要な基礎情報を提供するものである。
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