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2010 年度 実績報告書

生細胞イメージングとシステム生物学によるERKリン酸化過程の統合的理解

研究課題

研究課題/領域番号 21790273
研究機関京都大学

研究代表者

青木 一洋  京都大学, 生命科学研究科, 講師 (80511427)

キーワードFRET / ERK / シミュレーション / リン酸化 / パラメーター
研究概要

本年度は、一昨年度、昨年度の研究結果を踏まえて、ERK分子の二重リン酸化の分子機構ついてのさらなる詳細な検討を行った。昨年度までに、ERK分子がMEK分子によってprocessiveにリン酸化を受けることを見出した。これは実験結果に基づく反応シミュレーションにより予測され、実験的に証明したのだが、反応シミュレーションのパラメーター依存性については検討していなかった。そこで、反応シミュレーションに用いたパラメーターをNelder-Meadシンプレックス法により最適化し、これまでに報告されてきたdistributiveリン酸化モデルと今回我々が報告したprocessiveリン酸化モデルのどちらか妥当かを赤池情報基準量(AIC)により評価した。その結果、パラメーター推定に用いるパラメーターをリン酸化モデルに限定すると、後者のprocessiveリン酸化モデルが妥当であることが分かった。ちなみに、パラメーター推定の範囲を脱リン酸化まで広げると、より実験結果に一致するパラメーターセットを見出すことができるが、AIC値が上昇してしまい、これらのパラメーターモデルは適切ではないことが示唆された。したがって、我々が見出したprocessiveリン酸化モデルは、実験的にも理論的にも妥当であることがこれらの解析で明らかになった。本研究結果は、米国アカデミー紀要に掲載することができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Development of an optimized backbone of FRET biosensors for kinases and GTPases2011

    • 著者名/発表者名
      Komatsu N, Aoki K, Yamada M, Yukinaga H, Fujita Y, Kamioka Y, Matsuda M
    • 雑誌名

      Molecular Biology of the Cell

      巻: 22 ページ: 4647-4656

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Processive phosphorylation of ERK MAP kinase in mammalian cells2011

    • 著者名/発表者名
      Aoki K, Yamada M, Kunida K, Yasuda S, Matsuda M
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 108 ページ: 12675-12680

    • 査読あり
  • [学会発表] 分子混み合いの反応速度論的展開と実証2012

    • 著者名/発表者名
      青木一洋
    • 学会等名
      定量生物の会第四回年会
    • 発表場所
      名古屋(招待講演)
    • 年月日
      2012-01-10
  • [学会発表] 実測パラメーターに基づく細胞内シグナル伝達系の定量的シミュレーション2011

    • 著者名/発表者名
      青木一洋
    • 学会等名
      第6回トランスポーター研究会
    • 発表場所
      宮城県仙台市(招待講演)
    • 年月日
      2011-06-11
  • [学会発表] 定量的な細胞シグナル伝達モデルの構築にむけて2011

    • 著者名/発表者名
      青木一洋
    • 学会等名
      細胞システムの動態と論理
    • 発表場所
      埼玉県和光市(招待講演)
    • 年月日
      2011-05-24
  • [備考]

    • URL

      http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2011/110719_1.htm

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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