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2009 年度 実績報告書

視細胞における繊毛を介したオプシン輸送機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21790295
研究機関(財)大阪バイオサイエンス研究所

研究代表者

大森 義裕  (財)大阪バイオサイエンス研究所, 発生生物学研究部, 研究副部長 (90469651)

キーワード網膜 / 神経細胞 / 繊毛 / ゼブラフィッシュ
研究概要

申請者はこれまでに、視細胞特異的にGFPを発現するトランスジェニックゼブラフィッシュを用いて、変異体のスクリーニングを行い、4系統の新規なゼブラフィッシュ・オプシン輸送変異体(GEP226,263,305,360)を単離した。平成21年度の解析により、遺伝子多型マーカーを用いて、GEP305は第1番染色体に、GEP360は第13番染色体の数センチモルガンの領域に、原因遺伝子の存在領域を限定することに成功している。更に、GEP263については、多型解析とシーケンス解析により原因遺伝子が繊毛タンパク質IFT122であることを突き止めた。また、GEP226に関しては、原因遺伝子が3番染色体上の約3Mbpの領域に存在することがわかった。これらの変異体の表現型解析については、これまでに、GEP226,263,305,360は、視細胞変性を示すことがわかっている。更に、GEP226,263,360は、腎嚢胞が高頻度に見られた。これら4系統の変異体において、アセチル化αチューブリン抗体により、内耳有毛細胞の繊毛を解析したところ、すべての系統において、内耳有毛細胞の繊毛に異常をもっことが明らかとなった。鼻腔の上皮細胞の繊毛を観察したところ、これら4系統すべてに、繊毛の異常が見られた。Elipsaをはじめとするこれまでに発見された繊毛形成異常変異体は、体軸の湾曲を示すが、GEP263,305,360は体軸の湾曲を示さないことから、これらは、組織に特異性のある繊毛機能に関与している可能性が予想され、興味が持たれる。
また、本研究と関連して、視細胞の運命決定に関与する転写因子Blimp1と視細胞のオプシン発現にかかわる因子Pankyについて解析を行い、これらの因子が視細胞の繊毛が発達した構造である外節部分に局在するタンパク質の転写制御にかかわっていることを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Blimp1 suppresses Chx10 expression in differentiating retinal photoreceptor precursors to ensure proper photoreceptor development2010

    • 著者名/発表者名
      加藤君子, 大森義裕, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Neuroscience 30

      ページ: 6515-6526

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Panky, a novel photoreceptor-specific ankyrin repeat protein, is a transc riptional eofaetor that suppresses CRX-regulated photoreceptor genes2010

    • 著者名/発表者名
      Sanuki R, Omori Y et al.
    • 雑誌名

      FEBS letter 584

      ページ: 753-758

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 網膜視細胞における繊毛タンパク質の輸送機構と疾患2009

    • 著者名/発表者名
      大森義裕、古川貴久
    • 雑誌名

      細胞工学 28

      ページ: 1036-1041

  • [雑誌論文] シナプスの高次構造をかたちづくる細胞外マトリックス蛋白質ピカチュリン2009

    • 著者名/発表者名
      加藤君子、大森義裕、古川貴久
    • 雑誌名

      蛋白質・核酸・酵素 54

      ページ: 1166-1172

  • [学会発表] Gene expression profile of Otx2-deficient retina reveals different regulatory roles of Otx2 and Crx in photoreceptor development and maturation2009

    • 著者名/発表者名
      大森義裕
    • 学会等名
      OIST international workshop the "retina"
    • 発表場所
      OIST seaside house
    • 年月日
      2009-11-11
  • [学会発表] 視細胞特異的にGFPを発現するゼブラフィッシュを用いた繊毛関連ミュータントの単離と解析2009

    • 著者名/発表者名
      大森義裕
    • 学会等名
      日本発生生物学会
    • 発表場所
      新潟トキメッセ
    • 年月日
      2009-05-31

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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