研究課題
本研究では、小Maf群因子の機能をマウス成獣で破綻させたマウスを作製し、その機能破綻による疾患モデルの確立と疾患発症の分子機序を、遺伝子の発現レベルで解析することを目的としている。小Maf群因子条件付き欠失マウスの作製:前年度、MafG遺伝子をLoxP配列で挟む形で遺伝子構築をもつトランスジェニック(TG)マウスを作製した。しかし、TGコピー数がCre組換えに適していなかったため、本年度、再度TGマウスの作製を試み、低コピー数の個体の樹立に成功した。本マウス(MGRD-Floxed MafG)を、アルブミン制御下でCreを発現するTGマウスと交配し、肝臓でのTGの欠失を確認した。さらに、本TGマウスをMafK-/-:MafG+/-:MafF-/-マウスとの交配の上、MafK-/-:MafG+/-:MafF-/-:MGRD-Floxed MafGマウスの作出に成功した。本マウスを用いることで、小Maf群因子の条件付遺伝子欠失が可能となった。小Maf群因子の欠失マウスを用いた解析:小Maf群因子二重欠損マウスは、重篤な神経症状を示す。中枢神経系における小Maf群因子の標的遺伝子を明らかにする目的で、神経初代培養細胞を用いたマイクロアレイ解析を実施した。しかし、神経初代培養細胞の培養分化の条件が不安定であるため、安定した結果が得られなかった。これについては、脳組織より直接RNAを抽出し、マイクロアレイ解析を実施する予定である。小Maf群因子三重欠損マウスの表現型を詳細に解析し、本マウスが胎生9.5日より成長遅延を示し、14.5日でほぼ全例で致死であることを示した。さらに、三重欠損マウスでは、胎仔肝臓の発生が著しく障害されており、抗酸化酵素群の発現が減少していることを示した。
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Genes Cells
巻: 16 ページ: 406-415
巻: (未定 印刷中)
Mol Cell Biol
巻: 31 ページ: 151-162