研究概要 |
本年度はAR結合領域の近傍にある新たなアンドロゲン応答性miRNA,ncRNAの同定を行いそれらの前立腺癌細胞株における発現を検証した。 ChIP-chip法を用いて解析したところAR結合領域はヒトゲノム上でおよそ3千箇所(P-value<10^<-5>)が同定され近傍のmiRNAをmiRBASEにて検索した。その結果AR結合部位近傍のmiRNAとして複数のmiRNAをリストアップした。まずアンドロゲン応答性のmiRNAの反応性を見るためTaqman qPCRによって検証した。LNCaP細胞に対してR1881 10nMにて刺激を行い24,48時間後にRNAを回収した。逆転写反応を行いqPCRによりVehicle刺激での発現量に対する比をΔΔCt法により解析したところこれらのmiRNAの発現亢進が認められた。以上のmiRNAはアンドロゲン応答性miRNAとして機能していることが考えられた。ncRNAについてはEnsemblやGENBANKなどのdatabaseに登録されているtranscriptよりAR結合部位近傍のncRNAを検索し、いくつかの短いもしくは数kbに及ぶ長いncRNAが同定された。我々はこれらの発現レベルを検証し、アンドロゲン応答性を確認している。さらに我々はncRNAを発現抑制するsiRNAを設計しLNCaP細胞へtransfectionを行った。その結果、当ncRNAがアンドロゲンによるホルモン依存性の増殖に関わる可能性が示唆された。さらに詳細なメカニズムを解析中である。
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