癌や炎症性腸疾患の病変部位の上皮組織では、アピカル膜ドメインの異常が観察されているが、その異常と病態との関係については不明であった。本研究では、酸化ストレス傷害モデルラット肝臓を用いて、酸化ストレスのaPKC-PARR複合体に形成と細胞極性に与える作用を検討した。その結果、酸化ストレスによりPI3キナーゼシグナルを介したaPKCの異常活性化が起こりaPKC-PAR複合体の形成が阻害され細胞極性の異常が誘導される事が明らかとなった。本研究により酸化ストレスによる細胞傷害の新たな分子機構の一端が明らかとなった。
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