○非癌症例における検討 過去に解析したよう症例は、胃癌手術材料における非癌部粘膜を対象としていたため、より一般的な自称であることを確認するため、非担癌患者の解析を行った。当初、解剖例を解析する予定であったが、死後時間や生前の薬剤投与などにより、十分な解析が難しいことから、胃生検材料を用いて解析を行った。 この結果、表在菌量が急性炎症と相関し、胃粘膜固有層内の細胞内ピロリ菌量が慢性炎症の程度と相関するという、胃癌症例にて得られたのとほぼ同様の傾向が確認できた。 ○MALTリンパ腫との関連 少数症例ではあるが、解析を行ったが、癌と同様の傾向であり、MALTリンパ腫に特徴的な所見を見いだすには至らなかった。 ○除菌治療後の細胞内ピロリ菌感染の状態 除菌失敗例について表層内に固有層内に残存するピロリ菌を同定しうる症例があった。これらの症例をreal-time PCRにて解析したが、検出率が低くその原因を今後検討する必要がある。
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