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2011 年度 実績報告書

胞巣状軟部肉腫の病態における腫瘍特異的キメラ遺伝子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 21790352
研究機関鳥取大学

研究代表者

石黒 尚子  鳥取大学, 医学部, 助教 (50346350)

キーワード軟部腫瘍 / キメラ遺伝子 / 胞巣状軟部肉腫
研究概要

本研究課題の目的である胞巣状軟部肉腫が腫瘍特異的キメラ遺伝子ASPL-TFE3により獲得する分子生物学特徴を解明するため、本年度は昨年度に実施したマイクロアレイデータの分析とリアルタイムPCR法によるマイクロアレイ結果の確認を行い、以下の成果を得た。
1、DNAマイクロアレイデータの分析ならびに考察を行った。
(1)昨年度の解析で得られたDNAマイクロアレイシグナルの数値化データに対し、解析ソフトGeneSpringによる正規化ならびに検定を行った。その結果、ASPL-TFE3により発現が2倍以上に増加する遺伝子736個、発現が1/2以下に減少する遺伝子169個を単離した。
(2)マイクロアレイにより同定したASPL-TFE3標的遺伝子候補群についてオンライン上のpathway解析ソフトによる考察を行った。その結果、代謝関連遺伝子、サイトカイン関連遺伝子、シグナル伝達関連遺伝子(MAPK経路、JAK-STAT経路、AKT/mTOR経路)、細胞増殖・アポトーシス関連遺伝子などが含まれていることが判明した。
2、リアルタイムPCR法によるDNAマイクロアレイデータの確認を行った。
DNAマイクロアレイの結果を確認するため、ASPL-TFE3標的遺伝子候補群の中で特に腫瘍発生に重要であると考えられる遺伝子を選出し、その発現をリアルタイムPCRで解析した。その結果、細胞増殖・アポトーシス関連遺伝子、シグナル伝達関連遺伝子を含む幾つかの遺伝子で発現の増加または減少を確認した。
以上の成果より、ASPL-TFE3標的遺伝子候補群には腫瘍細胞の増殖、細胞内シグナル伝達系に関連する複数の因子が含まれていることが明らかとなった。今後、本研究で同定されたASPL-TFE3標的遺伝子群の解析を進めていくことにより、ASPL-TFE3による腫瘍発生メカニズムの解明ならびに胞巣状軟部肉腫の分子病態への理解が進展すると期待された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 胞巣状軟部肉腫における細胞周期関連因子発現の検討2011

    • 著者名/発表者名
      石黒尚子
    • 学会等名
      第44回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      2011-07-14
  • [学会発表] 胞巣状軟部肉腫特異的キメラ遺伝子の細胞増殖への影響2011

    • 著者名/発表者名
      石黒尚子
    • 学会等名
      第100回日本病理学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      2011-04-30
  • [図書] 腫瘍病理鑑別診断アトラス軟部腫瘍2011

    • 著者名/発表者名
      石黒尚子, 他
    • 総ページ数
      267
    • 出版者
      文光堂

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公開日: 2013-06-26  

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