研究課題
混合性結合組織病(MCTD)に合併する肺高血圧症(PH)は、MCTD患者の死因の重要な位置を占めるが、その発症機序はいまだ明らかになっていない。PH発症に至る初期変化として肺微小血管内皮細胞傷害が示されているため、本研究では肺微小血管内皮細胞を傷害する要因として、血清因子の一つである自己抗体、特に抗内皮細胞抗体(anti-endothelial cell antibody, AECA)に焦点をあて、研究を行った。肺微小血管内皮細胞からファージライブラリーを構築し、内皮細胞で発現する蛋白質に反応する抗原をスクリーニングした。平成21年度に得られた抗原候補の中に、臍帯静脈血管内皮細胞と比べ肺微小血管内皮細胞に高く発現することがRT-PCRで確認できた遺伝子が1つ含まれていたが、患者個々人の血清の反応性を確認したところ、抗原候補蛋白質を検出する際に混合した患者血清の1人で高い反応性が認められただけであった。そこで、さらにライブラリーを展開しスクリーニング数を増やしたが、SNRPFなどMCTD患者血清の反応性の報告のある既知のものなど広範に発現するものが抗原候補として得られたものの、肺微小血管に特異的な抗原候補蛋白質は得られなかった。肺微小血管に特異的に傷害が起こることが重要と考えたため、肺微小血管内皮細胞に発現する蛋白質を網羅的に発現するライブラリーを用いたスクリーニングから方針を変更し、肺微小血管内皮細胞と臍帯静脈血管内皮細胞のサブトラクションライブラリーを構築した。現在、肺血管内皮細胞に特異的な抗原の探索を行っている。
すべて 2010 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (7件)
Exp Lung Res.
巻: 36 ページ: 227-36
岩手医誌
巻: 62 ページ: 85-94
巻: 62 ページ: 37-45
日本臨床
巻: 68増刊号5 ページ: 65-70
臨床リウマチ
巻: 22 ページ: 337-343
J Rheum.
巻: (in press)
Allergol Int
Pathol Res Pract.