研究概要 |
これまで再生医療応用を目指した成育医療センター・バイオリソースの希少なヒト細胞のうち、子宮内膜細胞、羊膜細胞、胎盤動脈細胞、月経血細胞、および胎児肺線維芽細胞のゲノムDNAを採取し、網羅的DNAメチル化解析を行い、細胞特異的メチル化可変遺伝子(T-DMR遺伝子)の同定と細胞固有のDNAメチル化パターン情報の収集、および細胞特異的T-DMR遺伝子の詳細な解析を行ってきた。本年度は更にヒト余剰指から得られた指皮膚細胞、指骨髄細胞、及びヒト耳軟骨細胞を解析対象に加え、ゲノムDNAを採取し、網羅的DNAメチル化解析を行った。ゲノムDNA上の28,000箇所のDNAメチル化状態をそれぞれ解析し、指皮膚細胞、指骨髄細胞、及びヒト耳軟骨細胞のDANメチル化プロファイルを行った。昨年度に収集した子宮内膜細胞、羊膜細胞、胎盤動脈細胞、月経血細胞、および胎児肺線維芽細胞のDANメチル化プロファイルデータに加え、総合的にクラスター解析、主成分解析の結果、指皮膚細胞と指骨髄細胞は近いグループとして区別することが出来、子宮内膜細胞と月経血細胞が近似グループとして区別することが出来た。指皮膚細胞、指骨髄細胞、及びヒト耳軟骨細胞特異的メチル化可変領域(T-DMR)の同定を進めており、HOXA9、ZIC5、HOXB4、HOXB6、ZNF581、GATA、FOXなど先に同定された遺伝子群との遺伝子発現及びDNAメチル化状態の比較検討と関連を解析中である。
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