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心筋分化に関連する因子の特定は以前より試みられているものの、骨格筋細胞におけるMyoDのような遺伝子の存在は未だ報告されていない。これは心臓の発生が多種多様な因子が複雑に絡み合っているからと考えられている。このため、これらの因子の特定とその評価は心筋細胞の発生や病態の解明に繋がる重要な課題である。そこで本研究では心筋分化誘導能を持つ因子(中でも液性因子や遺伝子)を様々な手法で特定し、評価することを目的としている。
当該年度は、体の種々の組織から得られた細胞のうち心筋分化誘導能を有する細胞に対して網羅的遺伝子発現解析を試みた。その結果、心筋分化に関与すると考えられる複数の遺伝子を見いだした。そこでこれらの遺伝子が実際に心筋分化に関与するかどうかを確認するため、心筋分化するとGFP陽性となるマウス線維芽細胞にこれらの遺伝子を単独もしくは複数を組み合わせて導入した。いくつかの場合においてGFP陽性細胞が観察された。また心筋分化誘導に関与する液性因子も特定しており、これらの液性因子を組合せた分化誘導方法も検討している。
今後は心筋分化に関与するとして得られた遺伝子に関して、詳細な解析を進めることで新規の心筋分化誘導関連因子の特定と評価を試みる。さらに特定の遺伝子を効率的に細胞に導入する手法の開発が必須となるため、効率的な遺伝子導入法の開発も試みる。
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