研究課題
NLRファミリーは細胞内において様々な病原体成分や自己成分により活性化され炎症応答を引き起こすセンサー的役割を果たしていることが知られている。ヒトやマウスにおいて20種類以上存在しているが、それらの多くの機能は分かっていない。我々は、ウイルス認識センサーRLRのシグナル伝達分子であるTBK1と結合する分子として我々はNLR-tbを発見した。本年度、NLR-tbの自然免疫系における機能を明らかにする為に、NOD27欠損マウスの作製を行った。定法に従い、NLR-tb欠損マウスを作製したところ、このマウスはメンデルの法則に従い誕生した。調べた限り、発生学的異常は認められず、免疫担当細胞の分化や活性化状態にも異常は認められたなかった。そこで、野生型及びNLR-tb欠損マウスより、マクロファージおよび樹状細胞を調整し、様々な細菌構成成分で刺激を行い、炎症性サイトカインIL-1βの産生を測定した。その結果、これらの刺激後のIL-1β産生はNLR-tb欠損マウスでも正常であった。このことから未知のリガンドが存在している可能性が示唆された。また、我々は、NLR-tbがウイルス感染により発現が上昇することを見出した。このことから、ウイルス感染後の炎症反応惹起においてNLR-tbが関与している可能性がある。現在、様々なウイルスを用いて同様の実験を行っているところである。一方、NLR-tbの機能をより詳細に明らかにするために、結合分子のスクリーニングを酵母ツーハイブリッド法により行っている。
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