LTB4阻害時にGM-CSF遺伝子導入腫瘍細胞の抗腫瘍効果が長期維持される機序

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21790387
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 実験病理学
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 井上 博之 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (80529967)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2010
• キーワード: 腫瘍免疫 / メモリーT細胞 / BLT1 / LTB4 / GM-CSF

研究概要

本研究で、我々はBLT1-KOマウスにおけるGM-CSF遺伝子導入マウス白血病(WEHI3B)細胞(WGM)の腫瘍形成拒絶後の同細胞接種の再拒絶過程において、CD4+T細胞が重要な責任細胞である事を明らかにした。また、KO/WGM マウス群でステムセントラルメモリーT細胞を含む各種メモリーT細胞が促進されていた(day 46)。その誘導メカニズムとして、in vivoにおけるBLT1シグナル欠失は、腫瘍抗原貪食樹状細胞の遊走及び活性化、追従する適応免疫系の活性化及び免疫寛容系を抑制しながら、より強力な腫瘍抗原特異的メモリーCD4+T細胞を効率よく長期的に誘導することが示唆された。

研究成果

• [学会発表] Loss of LTB4 Signaling Confers the Long-Term Antileukemia Effects Induced by GM-CSF -Transduced Tumor in BLT1 deficient Mice (2008)
  • 著者名/発表者名: Hiroyuki Inoue, Yosuke Yokota, Haruka Nabeta, Mutsunori Iga, Chika Sakamoto, Fumiyuki Sasaki, Yoichi Nakanishi, Takehiko Yokomizo, Kenzaburo Tani.
  • 学会等名: 第50回米国血液学会
  • 発表場所: サンフラシンスコ
  • 年月日: 20081206-20081209
• [学会発表] Blocking LTB4 Signaling Confers the Long-Term Antitumor Effects Induced by GM-CSF-Transduced Tumor in BLT1 Deficient Mice (2008)
  • 著者名/発表者名: Hiroyuki Inoue, Yosuke Yokota, Haruka Nabeta, Mutsunori Iga, Chika Sakamoto^1, Fumiyuki Sasaki, Yoichi Nakanishi, Takehiko Yokomizo, Kenzaburo Tani.
  • 学会等名: 第2回グローバルCOE国際シンポジウム/第18回九州大学生体防御医学研究所ホットスプリングハーバーシンポジウム
  • 発表場所: 福岡市
  • 年月日: 20081109-20081110
• [学会発表] Blocking of the LTB4 Signaling Maintains the in vivo Antitumor Effects of GM-CSF in the tumor challenged BLT1-/- mice (2008)
  • 著者名/発表者名: Haruka Nabeta, Hiroyuki Inoue, Mutsunori Iga, Yosuke Yokota, Ryo Kurita, Fumiyuki Sasaki, Koichi Takayama, Yoichi Nakanishi, Takehiko Yokomizo, Kenzaburo Tani.
  • 学会等名: 第70回日本血液学会総会
  • 発表場所: 国立京都国際会館
  • 年月日: 20081010-20081012
• [図書] サイトカインと癌治療臨床検査 第54巻6号 (2010)
  • 著者名/発表者名: 井上博之、谷憲三朗
  • 総ページ数: 670-676
  • 出版者: 医学書院(発行)
• [備考] ホームページ等