| 研究概要 |
マラリア原虫の寄生を考える上で、寄生胞膜の機能を明らかにすることは非常に重要である。なぜなら、マラリア原虫は寄生胞膜に包まれることにより赤血球内でその生命を維持しており、寄生胞膜はそのライフラインとして機能しているからである。本申請では、遺伝子工学的手法を駆使し、まず寄生胞膜への移行シグナルを同定し、それを手がかりにして寄生胞膜の分子基盤の解明を試みる。
本年度は、ネズミマラリア原虫の人工染色体(PAC)を用いた遺伝子導入法を用いて、寄生胞膜移行シグナル配列と推定した領域と緑色蛍光タンパク質(GFP)の融合タンパク質を発現する遺伝子組換え原虫を作成した。現在、感染赤血球内でのGFP融合タンパク質の挙動を解析を行っている。さらに、詳細な解析を行うために、人工染色体のGFPを改変GFP(Venus,理化学研究所・宮脇敦史先生より分与)に組換え、追加実験を行う予定である。
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