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2009 年度 実績報告書

C型とD型ボツリヌス菌ホスホリパーゼCの三次元構造と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21790421
研究機関岡山大学

研究代表者

阪口 義彦  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70403491)

キーワードボツリヌス菌 / ホスホリパーゼC / ウエルシュ菌α毒素 / 卵黄活性 / 溶血活性 / ホスファチジルコリン / スフィンゴミエリン / リポソーム
研究概要

ボツリヌス菌は産生する神経毒素の抗原性の違いにより、A~G型に分かれる。これらのうち、C型とD型菌のみホスホリパーゼC(PLC)を産生する。一方、ウエルシュ菌α毒素は、ガス壊疽の病原因子であり、PLCとスフィンゴミエリナーゼ(SMase)の2つの酵素活性を有している。我々はC型とD型PLCをコードする遺伝子(botα)の全塩基配列を決定した。この情報をもとに、組換えD型PLC(Dbotα)の発現および精製を行い、酵素活性(卵黄活性,溶血活性など),生物活性(マウス致死活性)を測定し、α毒素と比較した。
Dbotαはα毒素とは53%の相同性を示し、α毒素で酵素活性に重要であるZn^<2+>結合モチーフがよく保存されていた。Dbotαの卵黄活性は、coCl_2存在下でα毒素と比べて1/10低い活性を示した。溶血活性においては、CoCl_2存在下でウサギ赤血球を用いた場合、α毒素と比べて1/1,000低い活性を示したが、ヒツジ赤血球ではほとんど活性が認められなかった。ホスファチジルコリン(PC)-またはスフィンゴミエリン(SM)-リポソームの破壊作用においては、Dbotαはα毒素と比べPC-リポソームでは1/100、SM-リポソームでは1/60低い活性を示した。また、ウサギまたはヒツジ赤血球膜の結合を調べると、Dbotαはα毒素に比べて強い結合を示した。SM-またはPC-リポソームを用いた場合でも同様であった。BIAcore解析により、基質(PC)とDbotαとの親和性を調べたところ、Dbotαはα毒素に比べてPCに対する強い結合を示した。一方、マウスの致死活性では,Dbotαはα毒素に比べて1/1,500低い活性であった。従って、Dbotαは卵黄活性を示し、赤血球膜に結合できるが、溶血および致死活性はα毒素と比較して著しく低いことが結論された。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] Binding and internalization of Clostridium botulinuR C2 toxin2009

    • 著者名/発表者名
      Nagahama.M., Hagiyama.T., Kojima.T., Aoyanagi, K., Takahashi, C., Oda, M., Sakaguchi.Y., Oguma.K., Sakurai, J.
    • 雑誌名

      Infection and Immunity 77(11)

      ページ: 5139 5148

    • 査読あり
  • [学会発表] G型ボツリヌス毒素遺伝子をコードするプラスミドの解析2010

    • 著者名/発表者名
      阪口義彦, 林哲也, 山本由弥子, 難波ひかる, 中山恵介, 馬少博, 張凱, 幸田知子, 小崎俊司, 小熊恵二
    • 学会等名
      第83回 日本細菌学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      20100327-20100329
  • [学会発表] ボツリヌス菌C2毒素によるPI3K/Aktシグナル伝達系の活性化とエンドサイトーシスにおける役割2010

    • 著者名/発表者名
      小林敬子, 高橋千尋, 永浜政博, 青柳晃平, 小田真隆, 小熊恵二, 阪口義彦, 櫻井純
    • 学会等名
      第83回 日本細菌学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      20100327-20100329
  • [学会発表] G型ボツリヌス毒素遺伝子をコードするプラスミドの解析2010

    • 著者名/発表者名
      阪口義彦, 林哲也, 中山恵介, 山本由弥子, 難波ひかる, 細見晃司, 幸田知子, 向本雅郁, 小崎俊司, 小熊恵二
    • 学会等名
      第4回 日本ゲノム微生物学会年会
    • 発表場所
      九州大学医学部キャンパス百年講堂(福岡)
    • 年月日
      20100307-20100309
  • [学会発表] C型とD型ボッリヌス菌ボスホリパーゼCの酵素活性と生物活性2009

    • 著者名/発表者名
      阪口義彦, 小田真隆, 山本由弥子, 難波ひかる, 馬少博, 張凱, 田村臣哉, 唐澤忠宏, 小林敬子, 永浜政博, 櫻井純, 小熊恵二
    • 学会等名
      第32回 日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      20091209-20091212
  • [学会発表] MOLECULAR ANALYSIS OF AN EXTRACHROMOSOMAL ELEMENT CONTAINING THE C2 TOXIN GENE DICOVERED IN CLOSTRIDIUM BOTULINUN TYPE C2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Sakaguchi, T.Hayashi, Y.Yamamoto, H.Namba, K.Nakayama, K.Zhang, S.Ma E.Nagamachi, K.Oguma
    • 学会等名
      6th ClostPath International Conference
    • 発表場所
      Istituto Superiore diSanita. Rome (Italy)
    • 年月日
      20091019-20091023
  • [学会発表] G型ボツリヌス毒素遺伝子をコードするプラスミドの解析2009

    • 著者名/発表者名
      阪口義彦, 林哲也, 山本由弥子, 難波ひかる, 中山恵介, 馬少博, 張凱, 田村臣哉, 小熊恵二
    • 学会等名
      第62回 日本細菌学会中国・四国支部総会
    • 発表場所
      広島大学霞キャンパス広仁会館(広島)
    • 年月日
      20091016-20091017
  • [学会発表] コレラに対するニワトリ抗体(IgY)の有用性(第2報)2009

    • 著者名/発表者名
      平井一行, 衛藤友美, 長町榮子, 綾田潔, 山本由弥子, 阪口義彦, 横田憲治, 小熊恵二
    • 学会等名
      第62回 日本細菌学会中国・四国支部総会
    • 発表場所
      広島大学霞キャンパス広仁会館(広島)
    • 年月日
      20091016-20091017
  • [学会発表] C型とD型ポツリヌスC2毒素遺伝子をコードするプラスミドの解析2009

    • 著者名/発表者名
      阪口義彦, 林哲也, 山本由弥子, 中山恵介, 馬少博, 張凱, 田村臣哉, 小熊恵二
    • 学会等名
      第56回 トキシン(毒素)シンポジウム
    • 発表場所
      アルモニーテラッセ(岐阜)
    • 年月日
      20090826-20090828
  • [学会発表] ボツリヌス菌C2毒素のエンドサイトーシスにおけるPI3K/Aktシグナル伝達系の役割2009

    • 著者名/発表者名
      高橘千尋, 永浜政博, 青柳晃平, 小林敬子, 小田真隆, 小熊恵二, 阪口義彦, 櫻井純
    • 学会等名
      第56回 トキシン(毒素)シンポジウム
    • 発表場所
      アルモニーテラッセ(岐阜)
    • 年月日
      20090826-20090828

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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