研究課題
当該年度の研究計画と実施内容1.【計画】平成21年度に引き続き協力病院で採取した胃生検体からDNAを調製し、特異プラーマーを用いたPCR法にてピロリ菌とHHLOを識別する。患者の年齢、性別、疾患別にデーターを分類する。【実施内容】研究協力病院から得た約100の胃生検体について調べた。胃MALTリンパ腫の患者の胃からヘリコバクター・ハイルマニイを発見し、マウスに感染させた。胃MALTリンパ腫の患者は約10~20%がヘリコバクター・ハイルマニイ感染によるものと思われる。2.【計画】MALTリンパ腫の発症に関わる宿主因子を明らかにするため、ヘリコバクター・ハイルマニイ感染マウスの胃粘膜よりmRNAを調製し、マイクロアレイ法を用いて、感染により発現が変動する遺伝子を同定する。【実施内容】ヘリコバクター・ハイルマニイ感染マウスの胃粘膜からmRNAを調製しマイクロアレイ法にて調べたところ、B220などのB細胞マーカーの他に、Cc119をはじめとするchemokine関連因子、selectinやintegrin α4などの細胞接着因子のmRNAの発現上昇が認められた。3.【計画】ヘリコバクター・ハイルマニイは、細胞侵入性に優れており、胃壁細胞内で見つかることが多い。そのためか、通常の除菌治療では、除菌されないことが多い。そこでマウス感染モデルを用いて、除菌法を検討する(抗生物質及びプロトンポンプ阻害薬の種類と投与量)。【実施内容】ランソプラゾール(15mg/kg),クラリスロマイシン(50mg/kg),アモキシリン(50mg/kg)を1日2回、7日間投与することで、完全に除菌することができた。また、除菌2ヶ月後の胃の病態は回復していた。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Journal of Medical Microbiology
巻: 60 ページ: 128-134
Current Trends in Microbiology
巻: 6 ページ: 1-8