結核菌Mycobacterium tuberculosisがマクロファージに感染した際の宿主のPrxIの機能を明らかにするため、PrxIノックアウトマウスを用いた感染実験を個体レベルおよび細胞レベルで実施した。とりわけ興味深い結果として、マウス高病原性のヒト型結核菌株をPrxIノックアウトマウスに感染させ生死観察を行ったところ、遺伝子欠損マウスの生存日数は野生型マウスに比べて有意に短かった。さらに、感染マウスから臓器(脾臓、肝臓および肺)を採取し、各臓器での生菌数を野生型マウスおよびPrxIノックアウトマウス間で比較した結果、遺伝子欠損マウスにおいて顕著に高いことを明らかにした。これらの結果から、宿主PrxIの結核菌に対する感染防御機構への関与が強く示唆された。
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