研究課題
マウスまたはラット運動神経細胞のシナプス側と細胞体側を分離培養する系を改良するため、シナプス側と細胞体側それぞれの培地条件を最適化した。マウス骨格筋抽出液を運動神経細胞シナプス側へ添加することにより、マウス運動神経細胞のシナプス伸長が有意に促進された。Polydimethylsiloxane(PDMS)を用いた分離培養チャンバーの細胞毒性を検討した。PDMSデバイスは高温処理により一般的には細胞毒性が低下すると言われているが、オートクレープまたは高温処理いずれの処理後のチャンバーを用いて培養しても、神経細胞が死滅したのに対し、熱処理なしのものでは神経細胞生存率が高かった。したがって、熱処理なしのチャンバーを培養に用いることにした。既存の分離培養チャンバーは細胞体培養部分上部が開放構造になっておらず、マイクロインジェクションできない。ラット運動神経細胞の細胞体へウイルス受容体遺伝子やウイルス複製関連遺伝子、そのドミナントネガティブ遺伝子等をマイクロインジェクションするために、細胞体培養部分上部が開放構造になった分離培養チャンバーに現在改良中である。運動神経細胞細胞体ヘマイクロインジェクション可能な針を再現性良く作製できる条件がほぼ定まった。神経筋接合部位を初代培養細胞でも再現するために、まず筋細胞と運動神経細胞の共培養を試みた。現在、共培養系を確立中である。感染性ウイルス粒子内のゲノム標識を行った。蛍光色素Syto59を用いたところ、行った実験条件では、ゲノムが標識されているらしいものの、輝度が低く検出が極めて難しかった。今後、他のRNA染色蛍光色素で標識を試みる。
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Journal of Microbiological Methods (in press, 掲載確定)
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