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2010 年度 実績報告書

形質細胞様樹状細胞によるIgA生産誘導機構の解明とIgA腎症治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21790459
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

手塚 裕之  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (30375258)

キーワードIgA / IgA腎症 / plasmacytoid DC / Tip-DC / Type I IFN
研究概要

本研究では、IgA生産誘導機構における樹状細胞(DC)サブセットの役割分担を明らかにすることを目的として研究を行い、以下の成果を得た。従来型DC(cDC)と形質細胞様DC(pDC)を腸管関連リンパ組織(GALT:パイエル板、腸間膜リンパ節)と末梢リンパ組織(PLN)から単離し、ナイーブB細胞と共培養したところ、GALT pDCはGALT cDCやPLN pDCよりもIgA生産誘導能が優れていた。これは、IgA生産誘導に重要なサイトカインであるAPRILやBAFFの発現レベルがGALT pDCで著しく高いことに起因していた。次に、GALT pDCにおけるAPRIL/BAFF発現誘導機序を明らかにするために、これらの発現誘導に重要なサイトカインとして知られるI型インターフェロン(IFN)に着目した。野生型マウスと比較して、I型IFN受容体欠損(IFNAR1^<-/->)マウスのGALT pDCではAPRIL/BAFF発現レベルが著しく減少していた。この結果と相関するように、IFNAR1^<-/->マウスでは血清や糞便中のIgA量が減少していた。また、野生型マウスのPLN pDCをIFNAR1^<-/->マウスに移植したところ、その一部がGALTに移入すること、血清や糞便中のIgA量が回復することが認められた。このことから、pDCのAPRIL/BAFF発現誘導はI型IFN依存性であり、定常状態のGALTには構成的にI型IFNを発現する細胞が存在することが示唆された。最後に、構成的I型IFN^+細胞の同定を試みたところ、同細胞はGALTのストローマ細胞であり、PLNや無菌マウスのGALTには存在しないことが判明した。以上の結果から、GALTに移入したpDCは、同所のストローマ細胞の生産するI型IFNの刺激依存性にAPRIL/BAFF発現を獲得することが明らかとなった。本成果は、『Immunity』に掲載された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Prominent role for plasmacytoid dendritic cells in mucosal T cell-independent IgA induction2011

    • 著者名/発表者名
      Tezuka, H.
    • 雑誌名

      Immunity

      巻: 34 ページ: 247-257

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A gas governing mucosal immunity2010

    • 著者名/発表者名
      Tezuka, H.
    • 雑誌名

      Vaccine

      巻: 28 ページ: 8039-8040

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulation of intestinal homeostasis by dendritic cells2010

    • 著者名/発表者名
      Tezuka, H.
    • 雑誌名

      Immunological review

      巻: 234 ページ: 247-258

    • 査読あり
  • [学会発表] 腸内細菌と粘膜免疫系の相互作用に関する新知見2010

    • 著者名/発表者名
      手塚裕之
    • 学会等名
      第51回千葉造血幹細胞移植研究会
    • 発表場所
      バーディーホテル(千葉)
    • 年月日
      2010-04-17
  • [図書] 粘膜系樹状細胞(誘導組織)(清野宏編)(臨床粘膜免疫学)東京2010

    • 著者名/発表者名
      手塚裕之
    • 総ページ数
      266-274
    • 出版者
      シナジー

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公開日: 2012-07-19  

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