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2010 年度 実績報告書

IL-27および関連サイトカインの炎症制御機能および治療応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21790474
研究機関九州大学

研究代表者

宮崎 義之  九州大学, 大学院・農学研究院, 学術共同研究者 (40380779)

キーワードアレルギー・ぜんそく / 炎症 / 感染症 / サイトカイン / 免疫学
研究概要

IL-27は、2つのサブユニットタンパク質(EBI-3およびIL-27p28)から構成されるIL-12ファミリーサイトカインである。また、EBI-3とIL-12p35から成るIL-35が新たな抑制性サイトカインとして、近年同定された。それらの生理機能を解明することで、炎症やアレルギーなどの病態を緩和する新たな治療法を提案することができる。昨年度、我々は、遅延型過敏反応(DTH)モデル試験を行った結果、EBI-3欠損マウスで炎症病態が顕著に増悪することを見出し、IL-27がDTHにおける炎症抑制に働く重要なサイトカインであることの新たな証明を得た。
本年度は、別の炎症病態モデルであるトリパノソーマ原虫感染試験やコンカナバリンA誘導性肝炎モデル試験を行い、EBI-3欠損マウスで病態が悪化することを確認した。また、我々を含め多くの研究において、IL-27が炎症性サイトカインIL-17の産生抑制を介して抗炎症作用を発揮することが報告されている。そこで、トリパノソーマ感染におけるIL-7の未知の役割を明らかにするために、IL-17欠損マウスを用いた感染試験を行った。その結果、IL-17欠損マウスでは、トリパノソーマ感染防御に重要なIFN-γや免疫細胞応答が減退しており、原虫の蔓延を抑えることが出来ずに死亡率が上昇することが明らかとなった。この結果は、IL-17がトリパノソーマ感染に対する防御免疫系の構築において重要な役割を担うことを示す、新たな知見である。それと同時に、トリパノソーマに感染したIL-17欠損マウスでは、各種炎症性サイトカインの産生も低下していた。従って、IL-27による抑制機構が働かない状況においては、過剰な炎症応答が誘導されることが推察され、また、IL-27がIL-17の関与する炎症性疾患に対して治療効果を発揮する可能性が示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] IL-17 is necessary for host protection against acute-phase Trypanosomacruzi infection.2010

    • 著者名/発表者名
      Miyazaki, et al
    • 雑誌名

      Journal of Immunology

      巻: 185(2) ページ: 1150-1157

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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