研究概要 |
本研究課題の目的は医師と看護師,看護師と介護職の臨床判断の実態と報告・連携状況を明らかにし,効率が良く質の高い保健医療ケアを提供するためには,各職種がどのように臨床判断を分担し,各職種が相互の臨床判断を活用しあえばよいかを明らかにすることである. 21年度は,米国のナースプラクティショナー(NP)の職域確立の現状を知ることを日的とし,文献検討と米国NPへのインタビューを実施し,米国NPの職域確立について現状の一部を知ることができた. 文献検討は,ナースプラクティショナーをキーワードとして抽出した和文文献と米国の専門職団体や教育機関による報告書を検討した.インタビューは米国西部州立大学と大学病院に勤務するNP7名を対象とした.2009年11月に実際に米国で活動するNPの診療場面を見学しインタビューを実施した. これらの結果から,職域確立における,実践範囲や監督方法を規定するガイドラインの整備とNPの提供する医療の質の確保の重要性が確認できた.まず導入時に適切な実践範囲や監督方法が規定され,規定に基づいてNPが実践した結果の医療の質を検証し,規定の変更を検討するという過程の繰り返しが必要であり,実際に実践してきたNP達の思いを知ることができた. 次に米国のNPは職域を確立しており,NPと医師との関係は概ね良好であることが推測された最後に,看護職としての立ち位置を大切にしており,看護職が大切と考える医療を提供していきたいと考えていた. 22年度は国内で参加観察と質問紙調査を行い,23年度は,得られた知見を基に教育プログラムを作成し介入効果を評価する予定である.
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