研究概要 |
本研究では,平成20年度特定健診の受診状況をもとに4年間の前向きコホート調査を行い,レセプト情報を活用した医療費分析により特定健診・保健指導の効果を検討することを目的としている.今回は対象とする自治体との協力連携体制およびコホート作成の元となるデータベースの構築を行った. まず平成20年度特定健診の受診者2,309名(男性704名,女性1,605名,受診率24.3%)について,保健指導対象者数や実施者数および中断者数について調査した.その結果,積極的支援の対象となった人が107名(特定健診受診者の4.6%),動機付け支援が288名(12.5%),うち実際に保健指導を受けた人は,積極的支援が23名(積極的支援対象者の21.5%),動機付け支援が42名(動機付け支援対象者の14.6%)であった.さらに,保健指導を受けたが途中中断した人は,積極的支援が7名(積極的支援受診者の30.4%),動機付け支援が13名(31.0%)であった. また,平成20年5月分レセプトをもとに分析した結果,特定健診の対象者である40~74歳までの国保加入者のうち,平成20年5月のレセプト発生者は6,004名(63.2%),発生レセプト件数は11,939件であり,一人あたりレセプト件数は1.99件であった.このうち,特定健診受診者により発生したレセプトは3648件(30.6%)であった. 次年度以降は今年度のデータベースをもとにコホートを作成し,レセプト情報より各グループの受診状況および医療費の分析を進め,特定健診・保健指導の評価を行うこととする.
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