研究概要 |
血栓性疾患患者検体に対する薬効判定や薬剤不応症症例の検出,消化管内視鏡症例など抗血小板剤を投与されている症例における休薬時の薬効の変化に対して,血小板機能と抗血小板剤の薬効評価,出血性副作用が示唆できるか2種類のカラムを用い,検査法の有用性を平成21年度に引き続き検討した.コラーゲンビーズカラムを測定し,血小板機能を測定するだけでは,個人によって測定結果が大きく異なり,基準値を設定した上での測定値が正常範囲内もしくは異常値であると判定を行うことは困難であることは確認できた.薬効に関しては,服薬による測定値の変化は認められる傾向はあるが,測定時の誤差や薬物動態などの個人差などによるばらつきは認められた.全血をフィルターに通して測定する吸引法(SFP法)では,2種類の抗血小板薬を内服していても,その効果判定が明らかとなりその有用性が示された.ただし,薬効に関しては,測定結果に個人差が認められることから,投与前後での測定を行うことがその効果判定に重要であることが示唆された.これら検査の実施に関して,抗血小板薬のモニタリングの重要性が示され,今後も引き続き検討が行われる必要があると思われた.
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