研究課題
今年度については、自己抗体の診断能・費用効果性を検討する上で基礎データとなり得る、リウマチ・膠原病・自己免疫疾患領域の合併症に関する研究を中心に行った。膠原病の重篤な間質性肺炎診断の血清学的診断マーカーであるKL-6及びSP-Dについては、メタ・アナリシスの手法を用いる事によりその有用性を証明した(現在投稿中)。また、治療による重篤な合併症である感染症については、特に真菌感染症の血清学的マーカーとしてのβ-Dグルカンの有用性をメタ・アナリシスにより証明した(現在投稿中)。加えて、関節リウマチ治療における医療の安全性・効率性をより高めるため、代表的な抗リウマチ薬の一つであるサラゾスルファピリジンの代謝酵素に対する遺伝子多様性が副作用に与える影響について、メタ・アナリシスの手法を用いて検討した結果、特定の1塩基変異が副作用発現に関与している可能性を突き止めた(投稿準備中)。今後はこれらの結果を費用効果分析を行う際の基礎データとして、従来の生物学的製剤の治療法の費用効果分析等に見られる医療費、モデル構造の解析を行う予定である。また、将来的にはDPCデータ収集を倫理委員会に申請し、抗CCP抗体、RF、疾患特異的自己抗体の測定成績のデータをもとに、より実用的かつ医療費削減につながる診断戦略を策定することを予定している。これらにより最終的には、より患者診断の正確性の向上と不必要な検査を行わずに診断・治療計画を立てる戦略を提唱していきたいと考えている。
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