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2009 年度 実績報告書

猫ひっかき病原因菌Bartonella henselaeの分子疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21790538
研究機関山口大学

研究代表者

柳原 正志  山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40379954)

キーワード猫引っかき病 / Bartonella henselae / multilocus sequence typing (MLST)
研究概要

Bartonella henselaeは猫ひっかき病(cat scratch disease : CSD)の原因菌である。本菌は患者からの分離が非常に困難であるため、本邦ではネコ由来分離株に関して16S rRNA遺伝子I型が主であるとする報告のみで、その他の遺伝学的背景は十分に明らかでない。本研究の目的は、ヒトならびにネコ由来B. henselaeの遺伝子学的解析により、わが国のCSDの実態を解明することである。本年度はmultilocus sequence typing (MLST)による分子系統解析を行い、遺伝子型の分布について検討を行った。全国から集められたCSD患者の各種臨床材料由来B. henselae DNA 24例とネコ由来B. henselae 31株の計55例を対象に、8種類のハウスキーピング遺伝子(16S rRNA, batR, ftSZ, gltA, groEL, nlpD, ribC, rpoB)についてMLSTを行った結果、3つの異なるsequence type (ST)に分類できた。CSD患者由来24例はすべてST-1であったのに対し、ネコ由来分離株では、31株中28株(90.3%)がST-1、2株(6.5%)がST-6、残る1株(3.2%)ではrpoBに新たな変異があったため、新規のST-15とした。これまでに報告されている14のSTとST-15について分子系統樹を作製したところ、ST-15はST-1に非常に近縁であった。以上の結果より、MLST型別解析により、わが国ではST-1が主な流行型であることが示された。また、他の地域(国)と比べ、MLSTに用いられるハウスキーピング遺伝子の塩基配列は、わが国のB. henselaeに高度に保存されていることも同時に明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Acquired activated protein C resistance is associated with IgG antibodies to protein S in patients with systemic lupus erythematosus.2009

    • 著者名/発表者名
      Nojima J, et. al.
    • 雑誌名

      Thrombosis research 124

      ページ: 127-131

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 最近注目される微生物-その臨床的意義と検査法Bartonella quintana, Bartonella henselae2009

    • 著者名/発表者名
      常岡英弘, 他
    • 雑誌名

      臨床と微生物 36

      ページ: 139-142

    • 査読あり
  • [学会発表] Presence of 2 different copies of the tRNA-Ala/GCA-tRNA-Ile/AUC spacer in Bartonella henselae2010

    • 著者名/発表者名
      柳原正志
    • 学会等名
      第83回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      神奈川県・パシフィコ横浜
    • 年月日
      2010-03-29
  • [学会発表] 本邦初めてのBartonella henselaeによる感染性心内膜炎-大動脈弁疣贅からの分離例-2010

    • 著者名/発表者名
      常岡英弘
    • 学会等名
      第21回日本臨床微生物学会総会
    • 発表場所
      東京都・東京ドームホテル
    • 年月日
      2010-01-30
  • [学会発表] 感染性心内膜炎患者の大動脈疣贅からBartonella henselaeを分離した1症例2009

    • 著者名/発表者名
      浅利祥子
    • 学会等名
      第42回中国四国医学検査学会
    • 発表場所
      香川県・サンポートホール高松
    • 年月日
      2009-10-31
  • [学会発表] MLST法によるわが国のヒトおよびネコ由来Bartonella henselaeの分子系統解析2009

    • 著者名/発表者名
      柳原正志
    • 学会等名
      第83回日本感染症学会総会
    • 発表場所
      東京都・京王プラザホテル
    • 年月日
      2009-04-24

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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