キノンは還元剤の添加により、その酸化還元サイクルが誘起され、これに伴って発生する活性酸素をルミノールにより検出することでキノンの化学発光定量が可能となる。本研究では、このキノンの性質に着目し、化学発光イムノアッセイの新しい検出手段としてのキノン標識抗体の開発を行った。強い発光を与えるナフトキノンの誘導体を用いて、これを抗体のアミノ基と結合させることでキノン標識抗体の調製を行った。キノン標識抗体に還元剤及びルミノールを添加したところ、長時間持続する強い発光が観察された。したがって、目的抗原と結合させたキノン標識抗体に還元剤及びルミノールを添加し、生じる発光を測定することで抗原量の定量が可能であると考えられる。
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