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2009 年度 実績報告書

警察官のうつ病・自殺対策を目的としたストレスの生物学的評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21790557
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

福元 仁  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30511555)

キーワード警察職員 / メンタルヘルス対策 / ストレスコーピング / 唾液コルチゾール / 唾液α-アミラーゼ
研究概要

警察職員は最も厳しい職業性ストレスがかかる職業の一つされている。海外の報告でも、他の職業集団を比べてうつ病や自殺率などが多く、本邦でも警察職員のメンタルヘルス対策は喫緊の課題となっている。そこで警察職員を対象に、ツボ押し器具を利用した東洋医学的アプローチを主体とした、実質60分程度の専門家によるストレスコーピング指導を行うこととなった。
対象者はW県警察の5つの部門、参加者は早計64名(男性50名、女性14名)である。警察側の事情により介入研究の時期が遅延し、実施期間は2011年2,3月となった。対象者はSCL,STCL,VASの3種類の自記式アンケートによりストレス評価が行われ、また生物学的評価法として、介入前後で唾液コルチゾールと唾液アミラーゼの計測を行った。
結果であるが、全体的な解析では、介入前後で唾液コルチゾール3.6→2.8,唾液アミラーゼ24.9→17.8,ストレス評価値3.9→2.4と、3項目ともに有意な減少(P<0.001)がみられ、総合的に本研究による介入効果ありと判断された。男女比に注目すると、介入前の唾液α-アミラーゼは男女ともに3.6だったものが、介入後に男性3.1、女性で1.7と有意差(P<0.01)がみられ、特に女性にストレス改善効果が大きかった。一方、10歳ごとの階層別に行った解析では、データに有意な年齢差はみられなかった。さらに警察の特性である不規則な勤務形態に注目すると、夜勤明け(12名)は、そうでない者と比較して、介入前の唾液コルチゾールは有意に高値であり5.1 vs.3.1(P<0.01)、有意性はみられなかったものの、ストレス評価値も高値であった4.4 vs.3.7(P=0.36)。このように、本介入研究は、多忙で不規則な勤務形態にある警察職員でも、有効なストレスコーピングの手段となることが証明された。

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公開日: 2012-07-19  

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