本研究は、研究代表者が嘱託産業医として関わっている某企業における定期健康診断時に採取される血清および各種健康診断データを利用する研究方法をとっている。当該企業における定期健康診断は毎年6月~10月に実施されるため、平成21年度は、平成22年6月から実施される定期健康診断においてデータ収集を可能とするための準備年度として充てられた。かかる準備として、当該企業における健康診断実施担当者と本研究実施のための最終調整を行った。続いて、本研究対象者(平成22年度健康診断時に満30才以上の社員)に配布するための、本研究に関する説明書および本研究参加の同意書を作成した。また、当該企業の協力のもと、職業性ストレス調査を円滑に行うための社内LANシステムを構築した。さらに、企業側健康診断実施担当者からの要望もあり、研究参加率を高めるための工夫として、本研究で測定した血液検査の結果を返却することとしたため、一般の者にも容易に理解できるような検査結果説明書きを付けた結果返却用紙を作成した。 これら準備のもと、平成22年度は、定期健康診断を利用した各種心血管バイオマーカーの測定と、職業性ストレス調査を実施する予定である。
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