メカノケミカル処理は、工業分野で新素材として応用可能なナノ粒子を生成できることから、アスベストの無害化・再資源化処理への応用が注目されている。もっとも大量に使用されたアスベストであるクリソタイルをメカノケミカル処理して生成されたナノ粒子について、吸入試験よりも簡便で感受性が高いとされるラット腹腔内投与実験を実施し、中皮腫発がん性を評価した。クリソタイルのメカノケミカル処理ナノ粒子では、腹腔内投与後の酸化ストレス反応がクリソタイルに比較して軽減された結果、中皮腫の発生が抑制された可能性が示唆された。
|