北海道内の労働者に対する調査を実施した。自記式調査票にて、基本的属性・日常生活(喫煙、飲酒、運動、睡眠時間、世帯収入、学歴、同居家族など)、労働環境(1週間の労働時間、1ヶ月間の休日日数、VDT作業時間、雇用形態、雇用期間など)、職業性ストレス、抑うつ症状、不眠を調査した。 これまで職業階層の低い労働者において不眠のリスクが高いという報告はいくつかみられるもののその機序は明らかではないため、職業性ストレスが職位と不眠との関連にどのような影響を与えるかをかを明らかにするために解析を行った。職位は、Higher-level of nonmanual worker、Lower-level of nonmanual worker、Mamial workerに分類した。不眠は、Athens Insomnia Scaleを使用して評価した。職業性ストレスとしては、要求度-コントロールモデル、努力-報酬モデルで調整後も保たれていた。交互作用は、"努力-報酬モデル"と"Mnual Worker"で有意であった。この解析の結果、職位の低い労働者には、努力-報酬モデルを採用している。年齢、教育歴、婚姻、飲酒、運動習慣、Body Mass Index、交代制勤務、労働時間、休日、VDT作業時間で調整した多変量解析において、職位のより低いものがより不眠のリスクが高くなる傾向性がみられた。この傾向性は、要求度-コントロールモデル、努力-報酬で測定される職業性ストレスの不眠への影響が職位の高いものと比べて大きいことが示唆された。
|