今年度の実施内容は、試験参加者の最終医学検査を完了し、検査データの返却・説明、最終検査データの整理、および結果のまとめを行った。2010年11月に最終医学検査を行なった。最終検査では、それぞれ450人中、425人(94.4%)が参加した。錠剤服用のコンプライアンスの平均は83.7%で、錠剤の服用が80%を超えた者は332人であった。アウトカムとしての検査項目は最大血圧、最小血圧、空腹時血糖、ヘモグロビンAlc、尿酸、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪であり、最終検査におけるそれぞれの変数の平均値は、129.1mmHg、78.4mmHg、89.8mg/dl、5.1mg/dl、4.5mg/dl、216.4mg/dl、67.9mg/dl、122.9mg/dl、95.8mg/dlであり、2年間の変化は、それぞれ、-4.6%、-1.9%、0.0%、0.0%、0.1%、2.9%、0.0%、2.7%、-4.5%であった。治療企図分析および実行説明分析を行った結果、血液検査項目に関しては、カルシウム付加500mg/日群、カルシウム付加250mg/日群、プラセボ群の3群間に有意な差はみられなかった。しかしながら、最大血圧と最小血圧に関してはベースライン値と比較して1年後、2年後ともカルシウム付加の2群がプラセボ群より低い傾向が明らかであった。カルシウム付加により、血圧を低下させることが期待される。
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