研究概要 |
骨粗鬆症は、近年寿命が延び高齢者人口が増えてきたため、特に問題になってきている。日本では、約1,000万人の患者さんがいるといわれており、高齢者人口の増加に伴ってその数は増えている。骨粗鬆症の予防として適度な運動やカルシウムやビタミンDなどの摂取が重要であることは知られているが、近年多価不飽和脂肪酸にもなんらかの関連があることが報告されるようになってきた。そこで今回、血中脂肪酸分析を行い、脂肪酸と骨粗鬆症に伴う骨折との関連を症例・対照研究により調査した。 21年度より、富山大学附属病院整形外科の全面的な協力のもとに骨粗鬆症に伴う骨折患者の募集をしているが、予想よりも除外基準に該当する対象者が多いため、症例数の集まりが低く、2010年3月31日現在で骨折症例7名である。そこで、骨折の部位を大腿頸部骨折・脊椎圧迫骨折・橈骨遠位端骨折だけでなく、上腕骨骨折(骨粗鬆症に多い)も含め、除外基準などを変更し、更には協力病院を増やすことにより、募集数を増やすことにした(本学倫理委員会でのプロトコール変更承認済み)。 症例数7名の平均年齢は86歳で、男性1名で残り6名は女性であった。7名中5名の患者はすでに骨粗鬆症の治療を受けていた。また"20-60才頃にどれくらい運動・スポーツをされていましたか?"という質問に対しては、7名中5名が"ほとんどしていない"という状況であった。 22年度の予定としては、20症例サンプル程度たまったところで、メインの評価項目である血中脂肪酸をガスクロマト法にて分析を行う予定である。分析途中で問題が起こっていないことを確認するため、富山大学医学部公衆衛生学で定期的に検討会を開き、進捗状況、症例の除外規定などについての検討を行う予定である。
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