本研究の目的 糖尿病患者における睡眠呼吸障害の重症度を客観的な手法により評価を行い、糖尿病患者における睡眠呼吸障害の有病率の算出と簡便かつ精度の高いスクリーニング方法を確立するとともに、睡眠呼吸障害と糖尿病の重症度、細小血管障害の発症進展との関連を明らかすることである。また糖尿病患者における脳卒中・虚血性心疾患の発症に睡眠呼吸障害と糖尿病の重症度が及ぼす影響を明らかにするための長期的なプロスペクティブコホート研究のベースラインデータを得るため横断的疫学的研究を実施する。 本研究の意義 睡眠呼吸障害の代表疾患である閉塞性睡眠時無呼吸患者では40%程度は糖尿病を合併していると推定され、逆に糖尿病においては睡眠呼吸障害が54%程度合併することが報告されている。しかしその多くは肥満度が高い欧米での調査であり、わが国の糖尿病患者は、欧米と比較して肥満度が低いことや脳卒中の発症率が高いことから、日本独自の長期疫学的研究により得られる知見は重要であり、その意義は国際的にも大きな意味を持つ。 現在の研究遂行状況 本年度は愛媛県内の基幹病院9病院の各病院での倫理委員会での審査を受けて、本調査を開始した。全患者に同意を取得したうえ調査を実施。生活習慣やいびきなどの状態について調査し、同時に心電図などの生理検査も実施している。フローセンサー法による睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングをおこなっている。現在、同意取得患者数は約550名となっており、100名から150名程度/月で同意取得している。現在のデータ管理を行っており、解析中である。
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