研究概要 |
睡眠呼吸障害の代表疾患である閉塞性睡眠時無呼吸患者では40%程度は糖尿病を合併し、逆に糖尿病では睡眠呼吸障害(SDB)が54%程度合併することが報告されている。SDBはインスリン抵抗性に関与すると推定されている。我が国の糖尿病患者は欧米と比較して肥満度が低いことや脳卒中の発症率が高いなどの特徴があることから、SDBの有病率や合併症への影響も我が国独自調査が必須である。本研究では愛媛県の主要病院通院中の糖尿病患者を対象に、SDBの有病率や糖尿病合併症との関連性を明らかにするために下記の研究を実施した。698名の糖尿病患者(男性416名/女性282名)平均BMI 25.0±4.6平均年齢61.7±11.5歳方法:問診票で身長、体重、いびきの有無、ESS(Epworth sleepiness scale),アルコール摂取の有無を調査し、同日にpolysomnographyと相関齢高いフローセンサ法でSDBのスクリーニングを行った。ESS11点以上を陽性、無呼吸低呼吸数RDI(Respiratory Disturbance Index)5以上をSDB陽性とし、RDI15以上を中等度SDB、RDI40以上を重症SDBとした。SDBの合併率は85.8%(599/698名)、中等度SDB以上が41.1%(287/698名)、重症SDBは4.2%(30/69&名)であった。BMI23以下でもSDBは82.7%(196/237名)、中等度SDBは35.4%(84/237名)であったが、BMIが23より高い群と比較するとともに有意にSDBの頻度は低かった(p<0.01)。SDBは肥満度に関連するが、肥満度低値(BMI<23以下)であっても中等度以上のSDBが35.4%に合併していた。
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