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2009 年度 実績報告書

血清アルブミンの機能測定による新しい栄養状態判定

研究課題

研究課題/領域番号 21790587
研究機関県立広島大学

研究代表者

佐野 尚美  県立広島大学, 人間文化学部, 助教 (20433394)

キーワード血清アルブミン / 低栄養 / 栄養状態判定 / タンパク質 / 日内変動
研究概要

アルブミンは肝臓で合成され、血漿の膠質浸透圧の保持、遊離脂肪酸、ホルモンや金属類と結合し、それらを輸送する等の機能を有する。ヒトにおいては一般に栄養状態を評価する方法として血清アルブミンが用いられているが、その量は他の病態によっても変化し、栄養状態の評価過程で様々な誤差が生じている。本研究では、低栄養状態のラットにおいて、肝臓へ入る前の血液(門脈血)と肝臓から出る血液(肝静脈血)の血清アルブミンを分析し、栄養状態や摂食が肝臓におけるアルブミンの代謝動態とその日内変動に与える影響を調べた。さらに、半減期の短いレチノール結合タンパク質やトランスフェリン、他の血液成分(GOT、GPT、BUN、血中中性脂肪、遊離脂肪酸、総コレステロール、血糖値、インスリン、アディポネクチン、レプチン)、肝臓グリコーゲン、肝臓中性脂肪、筋肉グリコーゲンについても分析を行った。Wister型9週齢の雄ラットを低タンパク質食群、普通食群、高タンパク質食群の3群に分け、食事は暗期の10時から16時に摂食させた。26日間飼育したのち、8時、13時、18時、22時に門脈と肝静脈から同時採血を行った。血清アルブミン、レチノール結合タンパク質、トランスフェリンは門脈血、肝静脈血ともに全ての時間帯において、低タンパク質食群で最も低値を示したが、門脈血と肝静脈血の差は、低タンパク質食群において最も大きく、血清アルブミンは摂食時の13時、レチノール結合タンパク質、トランスフェリンは摂食後の18時に最大となった。以上の結果から、血清アルブミン、レチノール結合タンパク質、トランスフェリンには日内変動が見られ、その変動は低栄養状態のラットにおいて最も大きいことが明らかとなった。血清アルブミンは長期的な栄養状態を反映する指標として利用されているが、低栄養状態においては日内変動を考慮する必要があると考えられた。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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