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2010 年度 実績報告書

中高年者のアミノ酸摂取と抑うつに及ぼす影響に関する大規模長期縦断疫学研究

研究課題

研究課題/領域番号 21790599
研究機関独立行政法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

加藤 友紀  独立行政法人国立長寿医療研究センター, 予防開発部, 流動研究員 (20329650)

キーワード中高年者 / アミノ酸摂取量 / 抑うつ / アミノ酸組成表
研究概要

本研究では、10年以上実施されている地域在住中高年者を対象とした長期縦断疫学調査の蓄積データを活用し、日常生活でのアミノ酸摂取量や質を把握し、これが抑うつに及ぼす影響を横断的また縦断的に解明する事を目的とした。
今年度の行った研究の実績報告は以下の3点である。
(1)我が国には、食事からのアミノ酸摂取量を測定するための成分表が整備されていない。そこで昨年度は食品の置き換え法等により、アミノ酸組成表の整備を行ったが、本年度はさらに精度を高めるため、置き換え法を用いても補充できなかった食品の中で、タンパク質含有量が多く、栄養調査での出現頻度の高い11種の食品についてアミノ酸含有量の分析を行った。これにより、食事から摂取されるたんぱく質の92.8%をアミノ酸に置き換えることに成功した。我が国においてこのように整備されたアミノ酸成分表は他にはなく、日本における一般住民の詳細なアミノ酸摂取量を算出することができるようになったことは大変意義がある。
(2)18種類のアミノ酸摂取量と抑うつとの関連について横断的な解析を行った。男性ではアスパラギン酸、ヒスチジン、スレオニンの摂取量が多いと抑うつ発症のオッズ比が有意に低下する事が分かった。女性ではバリンの多量摂取で抑うつ発症のオッズ比が有意に低下した。
(3)食事が2年後の抑うつに及ぼす影響を検討した縦断的解析の結果では、男性のみで、スレオニンヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グリシンの多量摂取で抑うつ発症のオッズ比が有意に低下した。女性では有意な関連を示したアミノ酸は見られなかった。
これらのアミノ酸摂取と抑うつに関するメカニズムの報告は我々の知る限りない。また、今回の検討では、これまでに抑うつとの関連が報告されている芳香族アミノ酸やグルタミン酸は有意な関連を示さなかった。アミノ酸と抑うつとの関連については、さらなる検討が必要である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Relationship between number of metabolic syndrome components and dietary factors in middle-aged and elderly Japanese subjects.2010

    • 著者名/発表者名
      Otsuka R, Kato Y, (他2名)
    • 雑誌名

      Hypertension Research.

      巻: 33 ページ: 548-554

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Advantages of taking photographs with the 3-day dietary record.2010

    • 著者名/発表者名
      Imai T, Kato Y, (他4名)
    • 雑誌名

      Japan Association for the Integrated Study of Dietary Habits.

      巻: 20 ページ: 203-210

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 地域在住中高年者のアミノ酸摂取量が抑うつに及ぼす影響に関する縦断的研究2010

    • 著者名/発表者名
      加藤友紀, (他4名)
    • 雑誌名

      日本未病システム学会雑誌

      巻: 16 ページ: 341-344

  • [学会発表] 地域在住中高年者のアミノ酸摂取量が抑うつに及ぼす影響に関する縦断的研究2010

    • 著者名/発表者名
      加藤友紀, (他4名)
    • 学会等名
      第17回日本未病システム学会学術総会
    • 発表場所
      沖縄県男女共同参画センター(沖縄県)
    • 年月日
      2010-11-13
  • [学会発表] 地域在住中高年者のアミノ酸摂取量と抑うつとの関連-年代差の検討-2010

    • 著者名/発表者名
      加藤友紀, (他4名)
    • 学会等名
      第57回日本栄養改善学会学術総会
    • 発表場所
      女子栄養大学(埼玉県)
    • 年月日
      2010-09-10
  • [学会発表] 地域在住中高年者のアミノ酸摂取量と抑うつとの関連2010

    • 著者名/発表者名
      加藤友紀, (他4名)
    • 学会等名
      第32回日本臨床栄養学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2010-08-29
  • [学会発表] 地域在住中高年男女における多価不飽和脂肪酸摂取量と認知機能低下との関連2010

    • 著者名/発表者名
      大塚礼、加藤友紀, (他3名)
    • 学会等名
      第32回日本臨床栄養学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2010-08-29
  • [学会発表] 地域在住中高年者における年齢群別の食塩摂取量の推移(8年間)に関する検討2010

    • 著者名/発表者名
      大塚礼、加藤友紀, (他3名)
    • 学会等名
      第46回日本循環器病管理予防学会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2010-05-28
  • [備考]

    • URL

      http://www.ncgg.go.jp/department/ep/nilslsa.html

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公開日: 2012-07-19  

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