呼吸器感染症の病原体は多く報告されている。本研究では、特にウイルス感染症に焦点を当て、multiplex real-time PCR法を用いた18の呼吸器ウイルス検出系を構築し、乳幼児呼吸器感染症検体を用いて、1年間を通した病原体検出、流行解析をおこなった。その結果、(1)呼吸器ウイルス感染症のうち、約45%は、2種以上の複数ウイルス陽性例であること、(2)複数ウイルス陽性例は、特に春季に高い割合を示すことを明らかにした。従来、単一病原体に起因すると考えられていた呼吸器感染症において、複数の病原体共存例が多いことが示唆され、今後、共存の意義の解析が必要であると考えられた。
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