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2010 年度 実績報告書

介護ストレス症候群のバイオマーカーの確立

研究課題

研究課題/領域番号 21790622
研究機関東京大学

研究代表者

亀山 祐美  東京大学, 保健・健康推進本部, 助教 (60505882)

キーワード介護ストレス症候群 / 介護うつ病 / 認知症 / 認知症に伴う行動心理症状 / バイオマーカー
研究概要

認知症の介護疲れによる心身のストレスから、介護者のうつや虐待の増加が社会で問題になっている。介護者のストレス状態の把握を目的として心理検査とストレスマーカーである唾液アミラーゼの測定を行った。
認知症専門外来に通院中の介護者に心理検査(QOL26、STAI、POMS、GDS15、Zarit介護負担尺度)、ストレスのバイオマーカーとして唾液アミラーゼの簡易測定(自宅)を施行した。50組の参加者の中で、老々介護34組を解析した。
介護者の属性は、妻18名(平均年齢73±8歳)、夫16名(77±4歳)。患者の要介護度は、要介護122名、要介護2以上12名。要介護度、介護時間に差はないが、介護者の平均GDS15は妻6.4±3.8点、夫4.3±3.0点、POMSの抑鬱(p=0.05)、STAIの特性不安(p=0.02)も妻の方が有意に悪い結果であった。介護者の症状は、妻はイライラ50%、疲労79%と訴えが多く、夫は15%、23%と少なかった。しかしながら、夫の自宅での唾液アミラーゼは平均322±116kU/lと男性認知症患者の平均134±56kU/lに比べ有意に高値だった。女性患者のMMSEとその夫のZarit介護負担尺度(r=0.67,p<0.01)およびGDS(r=0.78,p<0.01)は負の相関を示した。要介護1と2以上を比較すると、夫は、心理的QOLが低く、特性不安とGDSが高くなった。妻は、夫の認知症進行に伴う有意な症状の増悪はみられなかった。
老々介護ストレスの実態を調査し、介護者は高頻度でうつ、不安を有しており、介護者のケアも認知症診療で取り入れる必要がある。男性介護者のストレス把握には、愁訴だけでなく、バイオマーカーの評価も重要と考えられた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (4件) 図書 (3件)

  • [学会発表] 老年病科患者における不眠・夜間頻尿の頻度と性差2010

    • 著者名/発表者名
      亀山祐美
    • 学会等名
      日本メンズヘルス学会
    • 発表場所
      時事通信ホール(東京都)
    • 年月日
      2010-11-25
  • [学会発表] 高齢者の認知機能は誤嚥に関係する2010

    • 著者名/発表者名
      亀山祐美
    • 学会等名
      日本認知症学会
    • 発表場所
      ウィンク愛知(愛知県)
    • 年月日
      2010-11-05
  • [学会発表] Association of low testosterone level with the metabolic syndrome and its components in middle-aged Japanese men.2010

    • 著者名/発表者名
      Yumi Umeda-Kameyama
    • 学会等名
      7th Men's Health World Congress
    • 発表場所
      Nice Acropolis Convention Center(ニース・フランス)
    • 年月日
      2010-10-29
  • [学会発表] 物忘れ精査入院患者における睡眠の質の検討-うつ傾向による自己評価と客観的評価の解離2010

    • 著者名/発表者名
      亀山祐美
    • 学会等名
      日本老年医学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      2010-06-24
  • [図書] 認知症ガイドライン20102010

    • 著者名/発表者名
      日本神経学会監修
    • 出版者
      医学書院
  • [図書] 言語聴覚士国家試験受験対策実践講座2010

    • 著者名/発表者名
      梅田悦生・梅田紘子・亀山(梅田)祐美
    • 総ページ数
      242
    • 出版者
      診断と治療社
  • [図書] 当直医実践マニュアル2010

    • 著者名/発表者名
      亀岡信悟/監修, 梅田悦生, ら/編修, 亀山祐美・武田桜子・常深祐一郎・山口潔, ら/編修協力者
    • 総ページ数
      429
    • 出版者
      南江堂

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公開日: 2012-07-19  

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