研究概要 |
平成22年度の研究進捗状況は下記の通りである。 (1)標的抗体結合Z33ファイバー改変型UPRT発現アデノウイルスが各種胆道癌細胞株の5-FU感受性に与える殺細胞効果および正常肝細胞に対する安全性の検討 EpCAM抗体やEGFR抗体,非特異的抗体を結合させたUPRT発現Z33ファイバー改変型アデノウイルスを胆道癌細胞株TGBC-1TKB,KMC-1とHeLa細胞,正常肝細胞に感染させ,4日後に5FUを投与して殺細胞効果を検証したところ,2つの胆道癌細胞においてはEpCAM抗体やEGFR抗体を結合させた群で有意に殺細胞効果が増強された。一方で,HeLa細胞と正常ではいずれの抗体でも殺細胞効果は軽微であった。胆道癌に対する特異的な抗腫瘍効果および正常肝細胞への安全性が示された。 (2)胆道癌皮下移植ヌードマウスにおける検討 現在,ヌーマウスの皮下にKMC-1細胞を移植し,一定の腫瘍径に達した時点で,i)EpCAM抗体結合Z33ファイバー改変UPRT搭載アデノウイルス+5FU群,ii)EGFR抗体結合Z33ファイバー改変UPRT搭載アデノウイルス+5FU群,iii)非特異的抗体結合Z33ファイバー改変UPRT搭載アデノウイルス+5FU群,iv)野生型ファイバーUPRT搭載アデノウイルス+5FU群,v)EpCAM抗体+5FU,vi)EGFR抗体+5FU,vii)5FU単独投与群,viii)コントロール(PBS)群の8群に分け,それぞれ6匹のヌードマウスを用いて治療効果を検証している。 今後,これら得られた結果を解析して論文投稿する。
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