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2010 年度 実績報告書

原発性硬化性胆管炎の病態解明と診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21790659
研究機関京都大学

研究代表者

上田 佳秀  京都大学, 医学研究科, 講師 (90378662)

キーワード原発性硬化性胆管炎 / 肝移植 / 再発
研究概要

原発性硬化性胆管炎(PSC)の肝移植後再発のリスクファクター解析
全国の移植施設へのアンケート調査により、PSC肝移植後長期成績に関する全国多施設共同研究を行った。2008年12月までに行われたPSC症例に対する肝移植例114例の集計を行った。0.3-153ヶ月(中央値42ヶ月)の観察における患者生存率は1年83%、5年74%、10年57%、グラフト生存率は1年82%、5年70%、10年34%であり、欧米の成績より明らかに低い成績であった。成績が悪い原因として、PSC再発の問題が明らかになったため、PSC再発に関与する因子について検討を行った。その結果、単変量解析(logrank test)と多変量解析(Cox regression analysis)でともに有意差をもって同定されたPSC再発のリスクファクターは、術前のMELDスコアが24以上、一親等ドナーからの肝移植例、3ヶ月以内のサイトメガロウイルス(CMV)アンチゲネミア陽性、1年以内の胆管吻合部合併症の4つであった。さらに、PSC肝移植後のグラフトロスに関与する因子の解析を行った。その結果、術前のMELDスコアが24以上であることと一親等ドナーからの肝移植例の2つが独立したリスクファクターとして同定された。
また、京都大学においてPSC再発からグラフトロスに至った症例の病理組織学的な解析からは、自己免疫性肝炎様の活動性肝炎の合併が、肝移植後の再発PSCの急速な進行に関与することが明らかとなった。すなわち、PSCに自己免疫性肝炎が合併することによって、急速に肝不全へと進行する可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Risk Factors for Recurrence of Primary Sclerosing Cholangitis after Living Donor Liver Transplantation in Japanese Registry.2011

    • 著者名/発表者名
      Egawa H, Ueda Y, Ichida T, Teramukai S, Nakanuma Y, Onishi S, Tsubouchi H.
    • 雑誌名

      American Journal of Transplantation

      巻: 11 ページ: 518-527

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Frequent overlap of active hepatitis in recurrent primary sclerosing cholangitis after living donor liver transplantation relates to its rapidly progressive course.

    • 著者名/発表者名
      Miyagawa-Hayashino A, Egawa H, Yoshizawa A, Ueda Y, Ichida T, Ueno Y, Uemoto S, Harada K, Nakanuma Y.
    • 雑誌名

      Human Pathology

      巻: (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 本邦における原発性硬化性胆管炎の肝移植後長期成績:再発の現状と危険因子に関する多施設共同研究2010

    • 著者名/発表者名
      江川裕人、上田佳秀、市田隆文
    • 学会等名
      第46回日本肝臓学会総会
    • 発表場所
      山形
    • 年月日
      2010-05-28

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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