• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

肝癌合併肝硬変を含む自己培養骨髄細胞投与による新規肝臓再生療法をめざした基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 21790667
研究機関山口大学

研究代表者

高見 太郎  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60511251)

キーワード肝発癌 / 骨髄細胞
研究概要

我々はこれまで、肝細胞癌合併のない非代償性肝硬変症に対して自己骨髄細胞投与(ABMi)療法を多施設臨床研究として行い、その有効性・安全性を明らかにしてきた。しかし肝硬変は高発癌状態であるため、自己骨髄細胞投与の肝発癌機構への影響を評価することは極めて重要である。そこで今回我々は、マウス肝硬変発癌モデルを新規作成し、自己骨髄細胞投与の肝発癌に与える影響を解析した。
生後2週オスC57BL/6マウス腹腔内にN-nitrosodiethylamine (DEN)を単回投与し、さらにDEN投与後1ヶ月目からCarbon tetrachloride (CCl_4)を週2回腹腔内反復投与するマウス肝硬変発癌モデル(DEN/GFP-CCl_4モデル)を作成し、これをコントロールとした。またDEN/GFP-CCl_4モデルマウスDEN投与後2ヶ月目から2週間毎に同種同系マウスGFP陽性骨髄細胞(5×10^5個)を尾静脈から投与し、これを投与群とした。DEN投与後4.5ヶ月時点(計5回投与)における肝発癌動態を、組織学的にfociおよび腫瘍(腺腫+肝細胞癌)の発生率、個数、サイズにより解析し、肝8-OHdGはELISA法で測定した。その結果、DEN投与後4.5ケ月において、foci発生率とfoci個数は投与群で低い傾向で、fociサイズも同等であった。また腫瘍の発生率、個数、サイズにも有意差はなく、むしろ投与群で抑制傾向であった。さらに肝8-OHdG量も、投与群で有意に低値であった。以上のように、頻回の自己骨髄細胞投与でも肝発癌は促進されることなく、むしろRe-dox homeostasisの安定化から抑制的に作用することが示唆された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 肝疾患における再生医療・細胞療法の展望2010

    • 著者名/発表者名
      高見太郎
    • 雑誌名

      Annual Review消化器2010

      ページ: 201-206

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 細胞治療技術-肝硬変も治る時代へ2010

    • 著者名/発表者名
      高見太郎
    • 雑誌名

      MedicalBio

      ページ: 54-57

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 肝硬変症は幹細胞再生医療で治せるか2009

    • 著者名/発表者名
      高見太郎
    • 雑誌名

      分子消化器病 6

      ページ: 359-364

    • 査読あり
  • [学会発表] 無血清培地によるマウス骨髄由来ディッシュ接着細胞ex vivo培養法2010

    • 著者名/発表者名
      高見太郎
    • 学会等名
      第9回再生医療学会総会
    • 発表場所
      広島県広島市
    • 年月日
      2010-03-18
  • [学会発表] 非代償性肝硬変症に対する自己骨髄細胞投与による肝再生・修復療法の現状と展開2010

    • 著者名/発表者名
      高見太郎
    • 学会等名
      第83回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      大阪府大阪市
    • 年月日
      2010-03-16
  • [学会発表] 非代償性肝硬変症に対する自己骨髄細胞投与療法の現状と今後の展開2009

    • 著者名/発表者名
      高見太郎
    • 学会等名
      第38回日本肝臓学会西部会
    • 発表場所
      鳥取県米子市
    • 年月日
      2009-12-04
  • [学会発表] Development of systems for culturing murine bone marrow-derived cells using the high-density method and isolating senescent bone marrow cells2009

    • 著者名/発表者名
      Taro Takami
    • 学会等名
      Gastro2009 meeting (UEGW/WCOG)
    • 発表場所
      London, England
    • 年月日
      2009-11-24
  • [学会発表] Sonazoid造影超音波検査が治療と評価に有用であった肝膿瘍の一例2009

    • 著者名/発表者名
      高見太郎
    • 学会等名
      日本超音波医学会第45回中国地方会
    • 発表場所
      広島県広島市
    • 年月日
      2009-09-12
  • [学会発表] High density法による骨髄由来細胞培養と予期的老化骨髄細胞分離法の開発2009

    • 著者名/発表者名
      高見太郎
    • 学会等名
      第16回肝細胞研究会
    • 発表場所
      山形県山形市
    • 年月日
      2009-06-26
  • [学会発表] Thermoreversible gelation polymer(TGP)を用いた骨髄細胞培養2009

    • 著者名/発表者名
      高見太郎
    • 学会等名
      第10回 プロメテウスの会
    • 発表場所
      石川県金沢市
    • 年月日
      2009-04-18
  • [産業財産権] 肝細胞癌の新規腫瘍マーカーとしての機能を有する抗HHMIgG抗体、肝癌のスクリーニング法および肝癌進行のマーカーの利用2010

    • 発明者名
      寺井崇二、高見太郎、坂井田功、沖田極
    • 権利者名
      国立大学法人山口大学
    • 産業財産権番号
      特許第4465467号
    • 取得年月日
      2010-03-05

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi