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2009 年度 実績報告書

リバビリンによるインターフェロンの抗C型肝炎ウイルス作用増強機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21790670
研究機関愛媛大学

研究代表者

徳本 良雄  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (10533078)

キーワードC型肝炎ウイルス / インターフェロン / リバビリン / インターフェロン誘導遺伝子 / PKR
研究概要

平成21年度はリバビリン(RBV)による抗C型肝炎ウイルス(HCV)作用増強機序を明らかにするためにインターフェロン(IFN)誘導遺伝子(ISG)のmRNA、蛋白発現の変化について検討を行った。
肝細胞由来であるHepG2細胞、Huh7細胞にHCV genotype 1a全長遺伝子を発現させ、IFN-α、RBVの添加を行った。経時的に細胞からmRNAと蛋白を抽出し測定を行った。HepG2細胞、Huh7細胞共に、IFN-αによるISG mRNA(PKR、MxA、OAS)の誘導がみられたが、RBVではみられなかった。HepG2細胞ではIFNとRBVの混合添加により、PKR及びMxA mRNAがIFN-α単独よりも有意に強く誘導された(day2-5)。Huh7細胞ではこのPKR、MxA mRNAの誘導増強はみられなかった。また、ISGのひとつであるIL-8mRNAはIFN-αではなくRBVによって誘導された。RBVは濃度依存的にIL-8 mRNA、蛋白の発現を増強した。また、IFN-αとRBVの混合添加によってRBV単独よりもIL-8の発現が有意に増強した。
RBVによる細胞蛋白発現の変化について解析した。PKRの活性化を反映するリン酸化PKR、eIF2-α、リン酸化eIF2-αの発現をウエスタンブロット法で比較した。HepG2細胞ではIFNとRBVの混合添加により、IFN単独に比べてPKR、eIF2-αのリン酸化が増強していた。一方、Huh7細胞ではIFN単独との差は見られなかった。
IFN-αとRBVの混合添加によりHepG2細胞ではISGの誘導がより増強していると考えられたことから、その機序として内因性IFNであるIFN-βに注目して測定を行った。HepG2細胞ではIFN-α単独に比べ、IFN-αとRBVの混合添加によりIFN-βが有意に強く誘導された。Huh7細胞では混合添加によるIFN-β誘導の増強はなかった。これらの結果より、RBVが内因性IFN-βを介してISGを誘導することで、IFN-αの抗HCV作用を相加的に増強している可能性が考えられた。
今後さらにRBVの抗HCV機序を詳細に解明することで、同様の作用をもつ新規のIFN併用薬の同定および開発、あるいはRBVに代わりうる、より副作用が少なく効果的な治療薬の開発に結びつく可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Etiology of liver cirrhosis in Japan : a nationwide survey.2010

    • 著者名/発表者名
      Michitaka K, Nishiguchi S, Tokumoto Y, (他3名、4番目)
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology 45

      ページ: 86-94

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Occupational liver injury due to N, N-dimethylformamide in the synthetics industrv.2009

    • 著者名/発表者名
      Hamada M, Abe M, Tokumoto Y, (他6名、3番目)
    • 雑誌名

      Internal Medicine 48

      ページ: 1647-1650

    • 査読あり
  • [学会発表] Ribavirin enhances the interferon-stimulated genes through the upregulation of autocrine interferon-beta in the combination treatment of interferon-alpha and ribavirin2009

    • 著者名/発表者名
      Tokumoto Y, Hiasa Y, Konishi I(他6名、1番目)
    • 学会等名
      The 60th American association for the study of liver disease
    • 発表場所
      Boston, MA, USA
    • 年月日
      2009-11-02
  • [学会発表] C型肝炎ウイルスと宿主細胞のinteractionに及ぼすインターフェロン、リバビリンによるインターフェロン誘導遺伝子を介した抗ウイルス効果2009

    • 著者名/発表者名
      徳本良雄、日浅陽一、恩地森一
    • 学会等名
      第45回日本肝臓学会総会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2009-06-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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