研究概要 |
MSR-A KOマウスおよびコントロールマウスにMCD食を投与しNASHを発症させ、両群間の炎症、線維化の程度の差異を検討した。組織レベルではMCD投与開始後15週のAzan染色、Sirius red染色においてMSR-A KOマウスでは有意差を持って肝の線維化は抑制されていた。次に、遺伝子レベルで比較検討した。MCD投与開始後15週においてReal-time PCRでTGF-beta,Collal,TIMP1の各遺伝子の発現量を比較したところ、いずれもMSR-A KOマウスでは有意にmRNAレベルは低下していた。次に、マクロファージ活性化のメカニズムを明らかにする目的でMSR-Aシグナルの下流に位置するM-CSFの発現を検討した。MCD投与開始後5週の時点におけるmRNAレベルを検討したところ、予想通りM-CSFの発現量は有意に低下していた。更に、マクロファージの活性化の指標であるTNF-alpha,IL-1beta,MCP-1のmRNAレベルも同様にMSR-A KOマウスで有意に低下していた。一方、methionine-choline control(MCC)食(単純性脂肪肝)群における上述の遺伝子発現の差異を検討したところ、前述の全ての遺伝子発現はMCD投与群に比し有意に低下していた。
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