幹細胞周囲の微小環境はニッチと呼ばれ、幹細胞の自己複製能や未分化性維持能の調節に関与している。本研究では、肝癌ニッチとして肝星細胞に注目し、癌幹細胞の自己複製能・未分化性維持機構における肝星細胞の関与を検討した。肝癌細胞株Huh7を用いて、CD133陽性SP分画が癌幹細胞としての性質を持つ細胞集団であることを見出した。次に、活性化肝星細胞株と肝癌細胞を共培養したところ、肝癌細胞の単独培養に比べて癌幹細胞分画が増加した。Wntシグナルが肝星細胞による肝癌細胞のstemness維持に重要であることが示唆された。
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