研究概要 |
DGKζによるGPCR agonistによるAP-1活性抑制効果が、ROS刺激により減弱することを確認した。Cos7 cellを過酸化水素にて刺激を行い、ERK1/2が活性化されることを確認した。また、DGKζのトランスフェクションにより、この活性化が、抑制されることを確認した。このことから、酸化ストレスによりPKCが活性化し、ERK1/2 AP-1が活性化すること、DGK zによってそれらが抑制されることを明らかにした。DGK zのSUMO修飾に関して検討を行った。HA-tagged SUMO1, HA-tagged SUMO3, UBC9, dominant negative UBC9, flag tagged-DGKzをCHO cellにトランスフェクションし、DGK zのSUMO修飾を検討した。DGK z, HA-SUMO3のみでは、DGKz-SUMOylationを確認できなかったが、PIAS familyのco-transfectionによりDGKz SUMO修飾が有意に亢進した。SUMO修飾の確認は、IP anti-flag antibody, IB anti-HA antibodyおよび、IP anti-DGK z antibody IB anti-SUMO antibodyで確認した。DGK zのSUMO修飾はSUMO 1によるものよりSUMO 3によるもののほうが強い傾向があった。さらに、dominant negative UBC9によりDGK zのSUMO修飾は有意に抑制され、UBC9を介してDGK zのSUMO修飾が生じていることが示唆された。心不全の進行にROSが関与することを臨床的に証明し、論文発表を行った。これらのことから、DMやHTでの心不全進行はROSが関与すること、その過程で、ROSによるDGKzの活性の低下があり、その抑制が心不全治療に寄与する可能性が示唆された。
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