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2010 年度 実績報告書

骨髄由来細胞をターゲットにした動脈硬化性疾患に対する治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 21790709
研究機関東京大学

研究代表者

岩田 洋  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00451807)

キーワード動脈硬化 / 細胞起源 / 骨髄由来細胞 / 平滑筋細胞 / 分子メカニズム
研究概要

これまでに、SMα-actin-EGFPレポーターマウス骨髄を野生型に移植した骨髄置換(キメラ)マウスに対し血管病変形成を誘導し、病変を含む血管組織を採取、細胞を単離した上で表面マーカー発現・機能(遊走能、増殖能などの解析を行った結果、血管病変に集簇する骨髄由来SMα-actin陽性細胞は、マクロファージ、あるいは単球の形質を有しながら、血管平滑筋細胞や線維芽細胞に発現するSMα-actinも同時に発現していることが明らかとなった。特にマクロファージのサブタイプの中でも炎症を促進すると考えられるM1マクロファージの形質を強く発現していることが示されたたことから、血管病変において観察される骨髄由来SMα-actin陽性細胞は、さまざまな臓器で繊維化などの臓器リモデリングに寄与するとされるcirculating fibrocytesと相同性を有することが示唆された。次にM1マクロファージに強く発現する表面マーカーCD11bとLy-6cを発現しているSMα-actin-EGFPレポーターマウスの骨髄細胞をソーティングし、血管障害モデルマウス末梢血に混入したところ、障害血管の新生内膜のみならず中膜や外膜にもGFP陽性細胞の集簇を認めたため、動脈硬化に代表される血管リモデリングにはSMα-actinを発現しながら骨髄由来の主にM1マクロファージの形質を有する平滑筋"様"細胞が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
また、血管内皮側からの持続的・物理的血管障害により大動脈リモデリングを発症する新たなマウスモデルを用いて大動脈リモデリングのメカニズムを解析したところ、障害に対して急性期に局所で放出される物質、TNFαが大動脈破裂に対し重要な防御的役割を担っていることが明らかとなった。
さらに、臨床的には急性心筋梗塞症例の冠動脈から吸引された血栓を病理学的に解析したところ、浸潤した細胞には骨髄由来未分化細胞が含まれており、その比率が続発する再狭窄の比率と密接な関係があることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Bone Marrow-Derived Cells Contribute to Vascular Inflammation but Do Not Differentiate Into Smooth Muscle Cell Lineages2010

    • 著者名/発表者名
      岩田洋、真鍋一郎、藤生克人、山本哲史、武田憲文、江口航生、古谷安希子、黒尾誠、佐田政隆、永井良三
    • 雑誌名

      Circulation

      巻: 122 ページ: 2048-57

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Impact of primitive cells in intracoronary thrombi on lesion prognosis : temporal analysis of cellular constituents of thrombotic material obtained from patients with acute coronary syndrome2010

    • 著者名/発表者名
      岩田洋、佐田政隆、安東治郎、藤田英雄、森田敏宏、澤城大悟、高橋政夫、平田陽一郎、高梨秀一郎、田端実、平田恭信、永井良三
    • 雑誌名

      Heart

      巻: 96 ページ: 748-755

    • 査読あり
  • [図書] 高血圧ナビゲーター第3版、表題:血管リモデリング2011

    • 著者名/発表者名
      岩田洋、永井良三
    • 総ページ数
      3
    • 出版者
      メディカルレビュー社

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公開日: 2012-07-19  

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