遺伝子AF001(ラボネーム)遺伝子座から150kbほど離れた位置に心房細動と関連するSNPが存在し、P値は10^<-8>未満である。この遺伝子座はcis制御領域としてAF001遺伝子の発現の変化に関わっていると考えられる。そこでこの約94kbpのこの領域をシークエンス解析を行い、SNP検索を行った。有意差のあるSNPと連鎖不平衡にある心房細動関連SNPは31まで絞り込むことが出来た。次にエンハンサーマークとなるタンパク質(p300と1メチル化H3K4)とRNAポリメラーゼの抗体によるクロマチン免疫沈降法を施行したところ、エンハンサーと考えられる部位を3カ所確認した。 きらにこの4q25の領域を2kbずつに区切り、それぞれをminimal promoterを含んだレポターベクターに挿入してエンハンサー解析を行ったところ、3カ所のうち2カ所が転写活性の抑制および亢進を示した。そこでこの領域のリスクアレルと保護アレル、それぞれの配列を入れたベクターを作成し、解析を続けている.この実験により、SNPの周辺配列のアレル差による心房細動の発症のしやすさが示される。この遺伝子座とAF001遺伝子の発現の変化が判明すれば、心房細動発症のメカニズムの解明につながると考えられ、意義は大きい。
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