研究概要 |
心房細動の血行動態を評価するために,心カテーテル検査と同時に心エコー検査を施行する必要性があった.この体制作りは順調に進み,カテーテル検査室での心エコー検査がスムーズに行えるよう,専属の超音波検査士を当院の超音波センターから派遣してもらえるようになった. また,左室内圧の変化を正確に評価するため,ミラー社製マイクロチップカテ先圧センサー付きピッグテイルカテーテルを用いて,左室圧を記録する必要があった.圧波形をデジタル記録するために,新規にコントロールユニットおよびケーブル類を購入した. Dual Doppler法を用いて,僧帽弁口血流速波形と僧帽弁輪運動速波形をデジタル記録した.また,2D speckle tracking法を用いて,心筋ストレインおよびストレインレート値もデジタル記録した.その他のエコー指標についても心カテーテル検査と同時記録を行った.血圧,心拍数,心拍変動性,心房ナトリウムペプチドの計測も行った. このようなプロトコールで症例の収集を行い,心カテーテルより得られるTau,左室拡張末期圧とE/e'やTe'-E等の心エコー指標との相関を検討する.また多変量解析を用いて,左室拡張末期圧,tauを最もよく反映する心エコー指標を特定する. 心房細動は心拍変動性による血行動態の変化があるため,その変動性についても今回は検討を加える.心房細動の心機能は未だ結論の出ていない部分が多く,今回の研究により心房細動の心機能評価に関して重要な知見が得られると考えられる. 2010年4月現在,症例数は5例登録されており,目標例数まであと15例である.機器・カテーテルの購入は済ませているため,積極的な登録を予定したい.
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